ろ布に使用されている合成繊維の材質は、一般的にポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)があります。
その他にビニロン、綿なども使われています。
これらについては、それぞれに材質上の特徴があり、その特性に応じて各方面に使用されています。
その用途を誤るとろ布としての性能を損なうのみでなく、ろ布の寿命やろ過性能に大きな影響を与えます。
そこで、まず合成繊維の特性を述べ、ろ布を取り扱う上で注意すべき点を列記します。
合成繊維のろ布は天然繊維即ち、木綿、羊毛、麻などのように虫に侵されたり、腐食したりすることはありません。
しかし、その保管についてはどの材質のろ布についても次の点に注意してください。
特にポリプロピレンは顕著に紫外線に劣化します。
よいろ布の条件としては、次のような機能が必要になります。
ろ布として使用される繊維は10種類以上ありますが、一般的に採用される材質は次の3点にしぼられます。 ろ液の性状、温度等ご使用条件にマッチした素材を選択することが大切です。
細い繊維を短くカットした繊維を撚り合わせたものです。
これから作ったろ布は微細粒子の捕集性に優れています。
しかし、目詰まりや、ケーキ剥離性、処理量に難点があります。
細く長い繊維を多数撚り合わせた合成繊維でケーキ剥離性に優れています。また、ろ過処理量もアップします。
釣り糸のような1本の太く長い合成繊維で目詰まりが少なく、ケーキ剥離性とろ過処理量は最高です。
しかし、捕集性には難点があります。
剥離分割により単繊維で0.2デニール前後の極細繊維からなる糸で、繊維1本、1本が角張った異形断面繊維で極微粒子の捕集性が優れています。しかし、ケーキ剥離性や目詰まりに難点があります。
これを表にまとめると次のようになります。